ノラネコの呑んで観るシネマ

クレヨンしんちゃん 襲来!!宇宙人シリリのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

4.2
面白かった。
10年代のシリーズベストだ。
ハリウッド映画にありがちな、地球に落ちて来た宇宙人と子供たちの冒険譚を「クレしん」世界でやった作品。
例によってしんちゃんは狂言回しで、物語的な主人公は落ちこぼれ宇宙人のシリリ。
この頭がケツ型の宇宙人種族は、生物を成長させる力があり、宇宙のあちこちで活躍している。
ところが、シリリだけその力が無く、逆に生物を子供に戻してしまい、役立たずと思われている。
自分は必要とされないという強烈なコンプレックスを抱えたシリリが、しんちゃんとの旅を通して成長してゆく。
ちょっと「オトナ帝国」テーマの別アプローチ的な要素があるのだが、あれほどシリアスには振られておらず、いい意味でアホらしいいつもの「クレしん」。
「E.T.」をはじめとするSFオマージュも楽しく、クレジット後まで飽きさせない。
しかし、本作で一番かわいそうなのは父ちゃんなのだが、アレ最終的に払ってもらえたのだろうかw
子供が一人もいない平日夜の回だったが、かなりウケていた。
十分に大人の鑑賞に耐える快作だ。