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打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?のdeenityのレビュー・感想・評価

2.0
えー、率直な感想は「おもんなっ!」って感じですかね。職場の方に「岩井俊二のやつが面白かったからきっとこれも面白いんじゃないかな」って助言を受けたので鑑賞してきたのですが、あまりに微妙過ぎる作品でした。岩井俊二の方はオススメしていただいたのでもちろん見るつもりです。ですが、こんだけつまんないとちょっと躊躇しますね。。笑

面白くないと感じたのは結果とかではなく、何なら開始5分ほどで感じました。
まず絵が嫌いです。なんかこうアニメ好き層を狙ったというのか何というか、はっきり言ってアニメに詳しくないので偏見で喋ってますが、イメージとしてはそっち系にウケの良さそうな絵のタッチと思いきや、背景は謎にリアルだったりするし。そうかと思えば動きとか絵自体に不自然さがつきまとうし。
加えてそこに合わせるように不自然な声優の声。菅田将暉はもちろんですが、最近では広瀬すずも演技良くなってきたなって思ってたんですけどね。残念ながら声だけでの表現には向いていないようです。典道もなずなも、どちらも完全に菅田将暉と広瀬すずです。百歩譲ってなずなは不自然なキャラの空気感があったので広瀬すずの落ち着いたトーンはそこまで外れてないのですが、菅田将暉のあのすっとぼけたようなアテレコ加減には笑いが漏れてしまいます。
絵と声優が合わなかったらアニメーション作品としては相当厳しいですよね。



ここからは内容に関してのネタバレになります。



そして内容ですが、「打ち上げ花火は横から見ると丸いのか、それとも平たいのか」という素朴な疑問を解決するために花火を横から見ようとするわけですが、そういうくだらんことで盛り上がれるのは青春時代の良いところですね。そんなもんよく考えたら当然丸いに決まってるでしょ。…あれ?そうだよね…?いや、まあ種類にもよるかもしれんけど普通は丸いでしょ。でもそんなちょっとした出来事が後々思い出になってたりするし、いいもんなんですよね。

ただ肝心のそこに関しての明確な答えってこの作品の中に出て来ないじゃないか。
もしもの世界にどんどん入っていく、それを螺旋階段だったり風車の回転だったりで表現するのはいいんです。地味にあの電球も「if」になってるんですね。でも結局じゃあ現実世界になってそれがどういう意味を持つかって結構重要だと思ってて、ただのストーリーのきっかけだけじゃもったいないし、深みがない気がする。何より作品中で「あれ?」って若干不安になったモヤモヤをスッキリさせてくれよ、もう(笑)

深みがないのは二人のもしもの世界もですね。結局現実でない世界で二人はわかり合えたのかもしれませんが、所詮そこは現実ではないわけで、それをどうやって受け止めたり乗り越えたのかってのが必要だと思ったんだけど、だいぶあっさりと片付けてしまってましたね。

きっと岩井俊二の原作はこうではないんだよね?面白いって評判もいいそうだし、期待していいよね?きっと見ます。
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