K

ターシャ・テューダー 静かな水の物語のKのレビュー・感想・評価

3.0
スローライフ。“ていねいなくらし”そのもの。スティルウォーター教。不思議だったのは、ターシャテューダーの問いかけに撮影者もしくは監督の声が一切入っていないこと。会話を無視しているはずはないので、どうやって音が入らないようにしたのか気になる。そしてこの作品、序盤は素敵だなと感じていた。彼女の背景がわかるにつれて金持ちの道楽に見えてしまい、徐々に黒い気持ちが広がる。やりたいことをやる大切さは分かるし伝わる。夢に対する努力も大事。ただその言葉の発信者と自分では、スタートラインも環境もあまりに違いすぎて、絶対に埋められない差を見せつけられた気がした。そして誰の口から出る言葉も情報も綺麗すぎて、さらに息苦しくなる。あとから思えば彼女の言う「幸せ」はときどき言い聞かせているようにも感じられた。トコトコ歩くコーギーと体の中で温められる鳥が可愛い。ロウソク作りも楽しそう。自分は今たぶん少し疲れていて、本作に癒しを求めて見たのが違ったのだと思う。
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