このレビューはネタバレを含みます
主人公なぎさの成長に感動した。
良い言葉には良いことが、悪い言葉には悪いことが実際に現実に起きるという言霊を信じている、なぎさ。
前は仲良かった夕のことを、今ではライバル視しているかえでが、夕のことを悪く言う姿を見るたび、言霊を信じているなぎさは深く傷ついてしまうものの、最初はずっと本人には言えずにいた。
しかし、物語の終盤で、なぎさは大きく成長を遂げている。
今までの思っていたことを言えなかったなぎさから、一変。
真正面にかえでと向き合い、夕のことを悪く言うのは違うといったことをはっきり告げるのだ。
そうした、本音で一人ひとりの友だちときちんと向き合うなぎさの成長した姿に深く感動した。
私はここから、悪いことも良いことも、一人ひとりと本音で向き合うことによって、仲が深まるといったメッセージ性も込められているように感じ、子どもたちにぜひ観てほしいと感じた。
また、今までなぎさがわからなかった「なりたい自分」を最終的には見つけることができ、無事その目標を果たすことができたことにも深く感動した。
何事も本気で向き合ってきたなぎさだからこそ、目標が見つけられ、達成できたのだと思い、「なりたい自分」がある私には、響くものがあった。
さらに、最初はなぎさしか見えなかった言霊だが、最終的にはみんなが見えるようになったことから、「信じる力」をなぎさはみんなに与えることができたのかなと考えた。
信頼は、ちょっとやそっとでは築けないし、壊れてしまうのも些細な出来事だったりする。
夏休み期間をすべてラジオの放送に捧げたなぎさは、たのしいことも、悲しいことも、つらいことも、いろいろあったからこそ、友だちだけではなく、町のみんなから信頼を築きあげることができ、最終的には声を届けることができたんじゃないかなって思いました。
今日の試写会で、声の中でも、歌声ってやっぱりすごいなあって思いました。
「あ」と発するのでも、そこにメロディが加わることによって、より人の心に伝わるものがあると思うんです。
歌詞とメロディ。
ふたつでセットだからこそ、より心に響くものがあると私は思っていて、エンディングで改めてそう思いました。
展開は読めますが、とても良い映画でした。