ブタブタ

夜は短し歩けよ乙女のブタブタのレビュー・感想・評価

夜は短し歩けよ乙女(2017年製作の映画)
4.5
星野源ではなく吉野裕行ファンの奥さんに連れられ鑑賞。
原作はそれ程だったので期待してなかったのですが面白かったです。
森見登美彦作品には正直何にも感じなかった(面白くもつまらなくもない)のですが、
四畳半神話大系もそうだったのですが自分は酒飲まないので偽電氣ブランなど酒がストーリーの重要なキーアイテムでも「酒飲み」の気持ちが理解できないのとモラトリアムとしての大学生活などそういった青春時代とは無縁の人生だったのでキャラクターにいっさい感情移入出来ないのが原因かと思います。
でもアニメの映像に、それもかなりデフォルメされた「マインドゲーム」で知られる湯浅政明監督のドラッグムービー的に映像化されるとあの世界が恋愛モノというより幻想的な異世界の探訪譚で、『帝都物語』の荒俣宏氏が「京都は東京を遥かに超える異界・魔界都市であり誰か『京都物語』を書いて欲しい」的な事を仰ってたのですが映画『夜は短し歩けよ乙女』はまさに魔界・異界都市としての京都を描いた『京都物語』でした。

正直先輩と乙女の話しは全く興味ないのですが何より素晴らしかったのがその映像・美術デザインの数々、「闇の古本市」の火鍋のくだりや「三階建て電車」スパイ映画の秘密基地みたいな「学園祭事務局」「先輩脳内会議場」及び「脳内塔」などなど。

それと毎度しつこくタレント吹替えに関してですが😅今回主役の星野源氏は先輩のキャラクターにあってたと思います。
乙女はどのキャラクターも芝居が全部同じのゴリ押しされてる人気声優のあの方は大嫌いなのですが広瀬すずとかではなく一応プロ声優が起用されただけよかったと思います。
パンツ総番長のロバート秋山氏はタレント吹替えの域を超えゲリラ演劇のミュージカルシーン(監督はやりたくなかったみたいな事がパンフに書いてありましたが)では芝居だけでなく歌でもプロのミュージカル俳優である新妻聖子氏と堂々と渡り合うなどその多才ぶりには驚きます。

あと主題歌は見るまで星野源だと思ってました。
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