ちろる

メアリと魔女の花のちろるのレビュー・感想・評価

メアリと魔女の花(2017年製作の映画)
3.6
スタジオポノック第一弾、米林監督and西村さん渾身の一作と楽しみにして居ました。
言われている既視感については確かにありましたが、まぁジブリのアニメーターの中ではジブリに所属中から監督デビューした数少ない人物ですし、そういう意味ではジブリアイデンティティ引きずるのも仕方ないじゃね?と思っているのであえて書くのはやめておきます。

でも、細かい背景の描写も含めて所々に宮崎駿監督が描かないであろう、米林監督の得意の英文学の中の、少女特有の世界観は見受けられたのでそこにはオリジナリティはあったのかなと思います。

テーマ、ストーリー、エンターテイメント性、別に悪くないと思うんですが、主人公メアリや、ピーターなど登場人物たちよ人間関係や生い立ちなど、それぞれが心に抱えているものなどが全く伝わらず、彼らに感情移入出来なかったので、彼らの冒険を一緒に体感するまでに至れなかったのが残念かな。
ラストまでにどこかのポイントで泣けることを期待していたんですが、心の奥から突き出てくるカタルシスみたいなものがなくて結局泣けず終いでした。
こ難しさはなく、プロットはけっこうシンプルなので大人の作品としてではなく、夏休みに小学生くらいのお子様と観るのにはぴったりなんじゃないかな?

個人的ですが、私は米林監督にはエンターテイメント性の高い、華やかな作品ではなくて、前作の「思い出のマーニー」みたいな地味でも心象風景を描いた米林作品で突き抜けて欲しいと思っていました。
新しい会社での第一弾だし、スポンサー受け的にこういうジブリっぽさを残した冒険物語系の方がいいんでしょうね。
オトナの事情は厄介ですが、是非オリジナリティを出してミニシアターでの展開からでも米林監督らしいと言い切れるような控えめでも優しさのある、そんな作品を確立していって欲しいです^_^
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