じゃっく

マッドマックス 怒りのデス・ロード ブラック&クロームエディションのじゃっくのレビュー・感想・評価

5.0
神話と化した あの伝説の作品『マッドマックス 怒りのデスロード』がモノクロ上映で帰ってきた。

結論から言おう。
完璧だ。これこそ私たちが求めるマッドマックスの真の姿だ。

色を失ったことで、どのようなメリットがあるのか。
最も大きな点は、全シーンにおいて色による囚われから解放されたことではないか。カラー版では自然に目に入ってきた情報がそのまま作品を構成する要素になっていたわけだが、モノクロになった途端、すべての色覚情報がシャットダウンされた。このことによって私たちは色に囚われない超次元的視点から作品を鑑賞できるようになった。これまで見えなかったことが見えてくるのである。それは車の鋼鉄の鈍く輝く光であり、人物の表情の深みであり、世紀末感である。カラー版では色覚情報として認識しえなかった何かが歴然と浮き彫りになるのだ。

神の創造者は言った。
「私はマッドマックスの白黒版の公開を夢見ていた。なぜならマッドマックス2の一番好きなバージョンは白黒版だ。fury road を作ったとき、カラリストに数か所白黒で見せてもらい感激した。そのほうが映えるシーンもあれば、色の情報が少ないことで分かりづらくなったシーンもある。でも全体的には一番いいバージョンだと思う。」と。

まさにその通りなのだ。
今まで見えていたものが見えなくなり、見えなかったものが見えてくるのだ。カラー版とはまったくもって異なる作品に仕上がっている。

どうせただ白黒になっただけでしょ??と思ってるそこのあなた。観に行かなきゃ損するよ。。。
じゃっく

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