さすらいの用心棒

お米とおっぱい。のさすらいの用心棒のレビュー・感想・評価

お米とおっぱい。(2011年製作の映画)
2.8
見知らぬ5人の男が「この世に残すとしたらお米か、おっぱいか」という世にもくだらない大激論を交わす、『カメラを止めるな!』の上田慎一郎第一回監督作品。

『カメラを止めるな!』は三谷幸喜監督『ラヂオの時間』のコピーだと言われているが、本作は三谷幸喜の『12人の優しい日本人』と寸分たがわぬ内容になっている。ここまで同じでいられるのはインディーズだからこそだろう。
『12人~』が、推理を積み重ねることによって真相に辿り着くストーリーだったのに対して、本作は「お米かおっぱいか」というバカバカしい議題ゆえに建設的な議論の面白さが若干削がれている気がしていて、惜しい。議論に発展がなく、展開するにつれて徐々にダレてきてしまっている。最後まで見ていられるけど、残念ながら面白くはない。
真上からのアングルや、カメラを絶えず回転させる試みなどに『カメ止め』のワンカット精神が見られるけど、そのチャレンジ精神は脚本のほうにもっと活かして欲しかった。