コミヤ

犬ヶ島のコミヤのレビュー・感想・評価

犬ヶ島(2018年製作の映画)
3.9
良い意味でも悪い意味でも全てが監督の手によって完璧に支配されてる感じ。

カッチカチにキマッたカメラワークや構図、監督のこだわり溢れるレトロフューチャーな日本描写、絶妙な間とアクションによって生まれる笑いなどででワンシーンたりとも退屈さを感じさせない。手際の良過ぎる料理シーンや手術シーンなどアニメーション的快楽もある。犬がご主人に忠実なのはサムライ的。
一方で展開のために動かしてるように見えなくもないキャラクター描写には引っかかるところがあった。総じてキャラクターの心の機微みたいなのは伝わりにくく、感情でストーリーを引っ張るような文字通りのエモさは無い。あの和太鼓のリズムで否が応でもテンション上がっちゃうけど。
ただアタリ君とトレイシーちゃんは監督の手から離れて可愛さ爆発させてた。

本作でも可愛らしい世界観の裏にある残酷な現実を見せていたけど過去作と比べると直接的過ぎる気がする。

そんな本作からは子供の大人にはない視野から物事の本質を見ていこうみたいなメッセージを感じたけど、ウェス・アンダーソン作品には純粋無垢でイノセントな子供が毎回重要な役割を担ってるのではと思った。

全く気付かなかったけど山田孝之、松田龍平、翔太兄弟、池田エライザ吹き替えてたらしい。野田洋次郎が意外にも全編にわたり出てた。
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