あきしげ

ペット 檻の中の乙女のあきしげのレビュー・感想・評価

ペット 檻の中の乙女(2016年製作の映画)
3.0
中盤以降の予想もしない展開はピーク。

良かった点。

・ドミニク・モナハンの冴えない男
・クセニア・ソロの美しく危険な女
・中盤以降で明らかになる衝撃展開

悪かった点。

・中盤の衝撃展開からの下降線
・中盤以降の主人公の劣勢ぶり
・もう一段階のサプライズ不足

シッチェス・カタロニア国際映画祭で脚本賞を受賞。
ホラー映画好きには周知の国際映画祭となっている。
『君の名は。』の受賞で日本でも認知された映画祭。

権威のある映画祭での受賞は大きい。
それだけに期待度が上がるのは当然。

タイトルとパッケージから予想。
変態な主人公と悲劇のヒロイン。
これで駆け引きをして脱出する。
内容がこれならば受賞はしない。

だが、本作は中盤まで予定調和に進む。
異常者なる主人公と可哀想なヒロイン。
この構図が完成してそのまま展開する。

しかし、主人公とヒロインが会話をする。
ここから物語は思わぬ方向へ変わります。
本作最大の見せ場となった中盤のピーク。
一気に名作の雰囲気を漂わせる立場逆転。

ここからどのような展開になるか期待。
中盤のピークを境に下降線を辿ります。

なぜか落ち着いてしまうのです。
これはさすがに失敗だと感じた。
もう一段階のサプライズを待つ。

残念ながらその後は予定調和に進んだ。
やはり、もう一段階の切り返しが必要。
中盤がピークになったのは痛いところ。

もう一段階の仕掛けがあれば名作になり得た。
あの失速ぶりはさすがに萎えてしまったのだ。
あれだけの急展開からの落ち着きは微妙です。

ドミニク・モナハンはハマっていたし、
クセニア・ソロも前半と後半では別人。

この二人にもっと駆け引きが欲しかった。
あのまま落ち着いてしまったのは残念だ。

名作に一歩まで非常に惜しい作品。
あきしげ

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