好きなんです。
たまにふと観たくなるんです。
むわっと立ち込める熱。
豊かではない暮らし。
身近にある芸術。
過ぎ去った向かいのホームから、ジッとこちらを見つめる1人の男性。
まだ見ている…
まだ見ている…
え…まだ見て…
隣にいる!!
ホラーのようなコメディのような、地味で癖のある映画。でも、それが良いんです。序盤で入るクレジットのシーンなんて最高です。
最後に入るピカソの言葉。
“芸術は日常生活で汚れた魂を洗う”
映像が終わってからも、涙を溜めて弾き続けた彼の演奏。何度でも彼の感情に重ねてみたくなってしまう。この演奏に胸を打たれない人はいるのだろうか。
感動するお話ではありません。でも、そこにあの街がある限り、安心して日常生活を送れそうな気さえします。