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許された子どもたちのizuのレビュー・感想・評価

許された子どもたち(2019年製作の映画)
4.1
とてつもない衝撃とずっと残るモヤモヤ

いじめていた同級生を殺してしまった主人公。だが、罪に問われず不処分になる。それでも被害者側や世間から大バッシングを受け...

とにかく全編重く、暗く、辛い。
許されてしまった一番の原因に母親が関係しているのだが、コイツが一番ヤバイまである。母親の過保護により主人公である絆星が思いを変え、やっていないと供述してしまう。後に母親は絆星の幸せを願い辛い人生を送って欲しくないからという理由などで絆星を守るのだが、これがかえって逆効果になっており、もし一番最初、あの時に罪を認めていればこんな逃げるような生活になっては無かったのではないか。そのような事を彷彿とさせる皮肉めいたシーンも多々見受けられ、辛かった。
行き過ぎた母親の愛は時に牙を向くとはまさにこの事。
ただ、絆星の名前の由来に不意に感動してしまった。私はキラキラネームにあまりいい印象は無いのでそれも相まってグッと来た。
ちなみにいじめグループの名前が全員キラキラでかなり序盤に笑っちゃったのは内緒

被害者側の心情もとても辛く、裁判のシーンは特に辛い
なんの罪もない自分の子供が殺され、罪に問われない。その苦痛と悲しみを見事に表現出来ており、時を忘れ視聴していた。
絆星もどこか心の底では罪悪感があるようにも見受けられるシーンもあり、主演の演技力もとても素晴らしかった。
個人的に思う一番演技が輝いていたシーンが、裁判で不処分と伝えられた時。あの時の顔。嬉しさと同時に本当にいいのか?という疑問混じりのにやけすぎず、かといってにやけを我慢しているような感じでもないあの表情。やばかった(語彙力)

後半でも語れるシーンは幾つもあるのだが、流石にネタバレになってしまうので控えるが、胸糞と同時に多少のスカッとするシーンもあったように感じた。
様々な嫌悪要素を詰め込み、全て活かしている。ただ、一番最後のシーンだけはちょっと理解不能w
正確には理解不能というよりは「んん??」って感情になってしまった。最後20分はカットしても良かった気がするけど、中々に面白く、考えさせられる良作でした。
ジャスティスかますぞ!!

視聴 2022年7月8日
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