現時点では是枝作品を否定
「真実は闇の中」的作品として真っ先に黒沢作品「羅生門」が思い浮かぶ。
羅生門にはイライラじりじりさせられ通しで「こんな映画もあるんだ?・・・」と驚いたもの。しかし第三者の噂話を全くの門外漢が伝え聞くという形式と、オープニング・エンディングの画面構成の妙など、素人でも分かる確かな芸術性も感じられた。
で本作「三度目の殺人」であるが、印象としてはひたすら低空飛行。「もやもやが残る」という以前にちょっとの火種さえ灯されず少しの煙も立たないイミテーションのたき火のような物。
自身のストーリー解釈に全く自信が持てなかったのでネット検索。他の詳細解説を見る分にはどうやら自分の解釈に間違いはなさそうだ。ウム
あくまで映画素人の感想に過ぎないが、俳優陣の特性が役柄にずばりマッチしていたという印象は皆無。あれだけ平板な流れに終始するのであればむしろ無名の「平板顔」役者の方がよかったのかもしれない? なんて思ったりもした。
極右系サンケイグループのフジテレビが関与しているだけに「死刑存続論」を擁護する意図があるのでは? との疑いも頭をもたげたが、さすがにそれは穿ちすぎというものだろう。
現時点では是枝作品は自身にとっての鬼門である。でも高々4-5作品見ただけなので新たな視点を得られたら喜んで評価を改めたい。
012002