ソビエト蓮舫

三度目の殺人のソビエト蓮舫のレビュー・感想・評価

三度目の殺人(2017年製作の映画)
3.5
公開から10年も経てないのに、日本アカデミー賞作品賞にしては、
満足度が足りないなと個人的には思った。
それだけ、最近の邦画は面白い作品ばかりだ。
法廷ミステリーだと思って見てたら、だいぶ社会派の内容。

ちょうど最近、同じ法廷モノの「ステキな金縛り」という映画を観たのだが、
そこでは、検察側の中井貴一が、
「裁判は勝ち負けじゃない。真実を求める味方同士」
というセリフがあったのだが、
こちらの作品では、「裁判は真実を求める場所じゃない」という方向で、
いろんな方向へ話が転換し、進む。

真実が明らかにされていくのがミステリーなのだから、
この作品はやっぱりミステリーではない。
司法という場で起こる問題点をあぶり出す、紛れもない社会派映画なのだ。

ただ、その手法が少し変わっている。
長谷川博巳が主役をやってたドラマ「アンチヒーロー」も、
冤罪を扱った社会派ドラマなのだが、
それでもやっぱり真実、真相を究明し解き明かすストーリーが、
この手の物語の常套手段なのだ。

なので、こちらの「三度目の殺人」のほうは、
終盤に向かってどんどん真実が明らかにされず、モヤモヤっとした感じが膨らんでいき、
ストレスの溜まる内容なので、見終わったあと、どっと疲れが出る。

不条理な悪意に対して、不条理な正義で返す、とたとえればいいのだろうか。
弁護士も観客も、振り回されっぱなしで、社会的に大事な社会問題なのだろうけれど、
正直、あまり巻き込まれたり、振り回されたくはないので、

「めんどくせーな役所広司、、、なんだこいつ、、、ちっ」

と思ってしまった。

この、鑑賞後のどっと疲れが出る感じ、なんか体感で覚えがあるなぁ、、、
(*゚ロ゚)ハッ!!
韓国映画の「母なる証明」だ。

なるへそ~。あれも確か最後は、真実なんてどうでもいいって話だったなあ。

真実はワタシが決める!
( ・`ω・´)キリッ
だったもんなあ。
でも母なる証明は満足感もあったんだけど、三度目の殺人は消化不良なんだよなぁ。
サスペンス調をギミックにした社会派映画だなあ。
ソビエト蓮舫

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