公開から10年も経てないのに、日本アカデミー賞作品賞にしては、
満足度が足りないなと個人的には思った。
それだけ、最近の邦画は面白い作品ばかりだ。
法廷ミステリーだと思って見てたら、だいぶ社会派の内容。
ちょうど最近、同じ法廷モノの「ステキな金縛り」という映画を観たのだが、
そこでは、検察側の中井貴一が、
「裁判は勝ち負けじゃない。真実を求める味方同士」
というセリフがあったのだが、
こちらの作品では、「裁判は真実を求める場所じゃない」という方向で、
いろんな方向へ話が転換し、進む。
真実が明らかにされていくのがミステリーなのだから、
この作品はやっぱりミステリーではない。
司法という場で起こる問題点をあぶり出す、紛れもない社会派映画なのだ。
ただ、その手法が少し変わっている。
長谷川博巳が主役をやってたドラマ「アンチヒーロー」も、
冤罪を扱った社会派ドラマなのだが、
それでもやっぱり真実、真相を究明し解き明かすストーリーが、
この手の物語の常套手段なのだ。
なので、こちらの「三度目の殺人」のほうは、
終盤に向かってどんどん真実が明らかにされず、モヤモヤっとした感じが膨らんでいき、
ストレスの溜まる内容なので、見終わったあと、どっと疲れが出る。
不条理な悪意に対して、不条理な正義で返す、とたとえればいいのだろうか。
弁護士も観客も、振り回されっぱなしで、社会的に大事な社会問題なのだろうけれど、
正直、あまり巻き込まれたり、振り回されたくはないので、
「めんどくせーな役所広司、、、なんだこいつ、、、ちっ」
と思ってしまった。
この、鑑賞後のどっと疲れが出る感じ、なんか体感で覚えがあるなぁ、、、
(*゚ロ゚)ハッ!!
韓国映画の「母なる証明」だ。
なるへそ~。あれも確か最後は、真実なんてどうでもいいって話だったなあ。
真実はワタシが決める!
( ・`ω・´)キリッ
だったもんなあ。
でも母なる証明は満足感もあったんだけど、三度目の殺人は消化不良なんだよなぁ。
サスペンス調をギミックにした社会派映画だなあ。