りのあ

三度目の殺人のりのあのレビュー・感想・評価

三度目の殺人(2017年製作の映画)
3.7
是枝監督の作品は、つい先日見た「誰も知らない」しか見た事が無かったので、
今回も重い作品だな〜と思いました。

前情報で、普通殺人事件の映画だと
誰が犯人かわからなくて、見て行くうちに徐々にわかっていき、おおーっ!!そいつが犯人だったのか!!となるはずが、
今作は最初から犯人がわかっているのに、
どんどんわからなくなっていくという
逆パターンと聞いていましたが、
まさにその通りでしたね。

勝つことにこだわる弁護士・重盛(福山雅治)は、殺人の前科がある男・三隅(役所広司)の弁護を仕方なく担当することに。解雇された工場の社長を殺害して死体に火をつけた容疑で起訴されている三隅は犯行を自供しており、このままだと死刑は免れない。しかし三隅の動機はいまいち釈然とせず、重盛は面会を重ねるたびに、本当に彼が殺したのか確信が持てなくなっていく。

重盛と三隅が面会する度に、三隅のいう事が二転三転するので、
見ている側も重盛とシンクロしてしまい、
一体何が真実なんだよ?とイラついてくると同時に、三隅という男がわからなくなり動揺してしまう。
結局ラストまで釈然としないまま終わるので、見た人それぞれがどう感じ取ったかによって、評価は大きく分かれるのかも知れないけど、
タイトルの3度目の殺人が何なのか?が
自分の中で、ああ、なるほどねとなったら
それなりに納得できる終わり方に感じられるのかな?と思う。

福山雅治、役所広司の面会室でのやり取りは、この作品の見所であると思うが、やはり役所さんの迫真の演技が素晴らしくて
福山さんの飄々とした感じは(役柄としてそうなのかもしれないけど)
どうしても負けてる感じがしてしまった。

広瀬すずが三隅が殺した被害者の娘を演じていますが、「怒り」の時のような素晴らしい演技で、すごいなぁと思いました。
ただ、町工場の社長の娘で、地味な感じの役なのに、すずちゃんだと可愛過ぎちゃうかな?とも思いました(笑)
すずちゃんのお母さん役が斉藤由貴さんで、劇中でも不倫?とかなっていたので
たまたまかも知れませんがタイムリーだなと。斉藤由貴さんは変なお母さんやらせると上手いですね(褒めています)
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