三度目の殺人のてるのネタバレレビュー・内容・結末

一番印象に残ったのはラストの面談室(?)のシーンのカメラワーク。２人の顔が写って重なって、それで２人の心情を表現するとは...!加えてあの２人の絶妙な表情の移り変わりが素晴らしくて、引き込まれる。あのシーンにこの映画の良さが全て詰まってると言っても過言じゃない！かも！笑
それから、個人的に法学について学んでることもあって、すごく司法が生々しく描かれるなと感じた。弁護人が真実ではなく被告人の利益を追求するのは至極真っ当なことだし、裁判官が評価気にするような仕組みになってるのも事実だし、あまり裁判を長引かせちゃいけないという意見もあるしなぁ...でもやっぱりこういうスタンスは本来司法が求める公正さとかが欠けてると感じるのも事実だし...と色々考えさせられ、講義の復習になるのでは?というほどだった。
私が思うにやっぱり殺したのは三隅で、彼は自分の意思ではなく誰かの「器」としてのみ殺人を犯すのであり、だからこそ罪に向き合うことはなく何度も殺人を繰り返す存在なのではないか。だから橋爪功は死刑にしておけばよかったと言ったのではないだろうか。
スッキリした終わり方とは言えないけれど、そこがリアルに感じさせる部分なのだろうから、そこも含めて良かったと思う。面白いと表現するのは違う気がするけれど、とにかく見てよかったと思える映画だった。