皆の人気者であり言葉が伝わりやすい福山雅治をまるで狂言回しの様な役割に配置し、
それと向かい合う相手である役所広司が、まるでストライカーがゴールを量産する一定の時間がおとずれたかの様に、後半から大暴れし状況を支配する。
福山の様な男のこれほどまでのやられっぷりは、何とも不思議な心地よさがある。
また広瀬すずに芯が強くありながらも、何かを配慮するあまり本来の心情をあらわにする事を抑えようとするキャラクターを演じさせる事は、
是枝監督が発明し特許を自身で保有し独占できる立場にあるかの様な事だなと観ながら思い、
結局のところこの作品は監督も含めて、この業界の各部門における例外的特権的立場いわゆるスーパースター達を組ませて行われたドリームチーム・プロジェクトである事に気付いた。
そしてこの作品は、本年の邦画の中では「バンコクナイツ」辺りとともにベスト級なのはまちがない圧巻の出来である。
