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三度目の殺人のminamiのレビュー・感想・評価

三度目の殺人(2017年製作の映画)
4.0
三度目の正直で観た。

一度目は映画館に行きつくまでに結構お酒を飲んでしまっていて、中身がふわふわしていて観た気にならなかったやつ。
二度目はWOWOWで観ようとしていたのについワインを飲む手がはかどってしまって途中で観るのをやめたやつ。

三度目にようやく「ちゃんと観たぞ!」と言える状態になって思ったのは、酔った状態で観るにはあまりに難解すぎる。

ちなみに下記に一度目の鑑賞時のレビューもつけておくけど、「ドライ」だったか…?
役所広司のあの妙な不気味感は渇いた感じとはちょっと違う気がする。
かといってウェットというわけでもなく、そういうベクトルじゃない。

西川美和の『ゆれる』における香川照之、そして『三度目の殺人』における役所広司。
同等の凄みを感じた。
最初は、それこそドライに対応していた重盛がどんどん振り回されていくことにとても納得する役柄だった。

結局真実はなんなのか。
あえてモヤモヤする終わり方だったのは、主人公自身も結局最終的な結論に達することができないまま次の仕事もあり、そのまま解決できないという事実に重なるように観客にも体験してほしいという意図があるというのをなにかで読んだけど、まさしくその、作品に参加させられる感じがとてもリアルだった。

果たして「三度目の殺人」は犯されるべきなのか。
私含め、すべての「重盛たち」が今後真実と向き合う姿勢が変わってくるような気がした。

===▼2017.9.29時点でのレビュー▼===
金曜の夜に30分間でワインをボトル半分流し込んでから鑑賞したせいか(しかもその後も朝まで飲んだ)、いまいち入りこめない感があったので、もう一度見て感覚を確かめたい。ただ、是枝さんならではのドライというかさらっとした描き方はやっぱり心地よくて、ほかの人が描いたらもっと大仰になったんじゃないかというストーリーなんだけど、妙にリアルに描ききった俯瞰のイメージが良かった。
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