裁判で勝つためなら真実は二の次と割り切っていた弁護士が、供述を二転三転させる殺人容疑者や被害者の遺族に翻弄されながら真実を追い求めていく姿を描いた法廷サスペンス。是枝監督と福山雅治の再タッグ。
勝つことにこだわる弁護士・重盛は、殺人の前科がある男・三隅の弁護を担当することに。解雇された工場の社長を殺害して死体に火をつけた容疑で起訴されている三隅は犯行を自供しており、このままだと死刑は免れない。しかし三隅の動機はいまいち釈然とせず、重盛は面会を重ねるたびに、本当に彼が殺したのか確信が持てなくなっていく…
容疑者の三隅を演じた役所広司の怪演に魅せられた。善人なのか悪人なのかも分からない落ち着いた態度をとっていたかと思ったら、狂人のような取り乱した言動をしたりとどれが本当の姿なのか全く掴めなくて不気味だった。全てが嘘くさかった。接見室で弁護士役の福山雅治と向き合うシーンは緊迫感があった。重盛と同じように見ている方も三隅に翻弄されられる。
結末は視聴者に委ねる感じでモヤモヤした終わり方だった。
是枝さんの作品はホームドラマの方が好きだなあ。
