なかなか面白く、つい見入ってしまった。制約が多く物語が動かしにくいシチュエーションでありながら複数の様々な課題や脅威を上手く組み合わせることでマンネリ化しない展開を作り出せており、作劇上の苦心が見て取れた。ゲームのシナリオ書くときとかに参考になりそう。
登場人物に無駄がないのも良い。こういう映画ではサメに襲わせる用のキャラクターをたくさん登場させたりしがちで、そのぶん喰われて当然の無能とかが出てくるのがストレスになるパターンがあるが、本作は基本的に画面に映るのは終始二人だけでありストイックな姿勢が好印象だった。内輪もめがないのも良い。この手の映画での内輪もめほどゲンナリするものはないので。
おかげで二人の関係性や心情変化もノイズ無しに追える。もう少し掘り下げがあっても良いかとも思ったが、酸素も無い危機的状況でベラベラ語られてもそれはそれで興醒めなのでこれくらいが含みもあって丁度良いのかな。
オチは正直読めるが、読めるからといって魅力が目減りするタイプでもないのであまり気にならず。綺麗で良い締め方なのでは。