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作家、本当のJ.T.リロイのyamatoのネタバレレビュー・内容・結末

作家、本当のJ.T.リロイ(2016年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

嘘のような本当の話。
こんな騒動があったなんて正直知らなかった。
少年のふりした、40女作家のドキュメンタリー。
こんな偽りの偶像が、ベストセラー作家から、アーティストデビュー、映画化パルムドールまで穫るとは世の中、何が起こるかわからんね。

まぁ、明らかに精神病んでるんだろうね。ドキュメンタリーでの本人語りは病んでるとは思えないほど、喋るわ喋る。
でも、これは病んでるからこそ、そういう内容の本を執筆できたのだろうし、そういう偶像を創ることができたのだろう。
作家なんて、そもそも覆面いるし、ペンネーム使ってるし、正体偽ることは確かに賛否両論あれど、裁判で賠償責任負わせるのはどうかと思うけどね。
そんなこと認めたら、ペンネームを使い分けてる人とか許されるのか?って話に なる。
むしろ、そういう偶像が、社会にある種のアイドル像を映し、その反響がブームになり、盛り上がったのだろう。
本自体読んだことないから、内容が素晴らしいのかどうかわからないが、内容が素晴らしいのなら、執筆者の正体なんて関係ないわけで、むしろ内容関係なく、その偶像崇拝で購入して内容理解もできずに勝手に盛り上がってるのはファンがバカなだけだし、どちらにしても作家が非難される筋合いはないと思うんだがな。
本自体がフィクションなのに、執筆者が偽ることに何の問題があるというのか。
それも含めての作品だろう。

とはいえ、その作品の一部である「偶像」が壊れた後は、本は出せてないみたいね。
結局は、本の内容は駄作で、その偶像に振り回されていただけなのかな。
本当に内容が純粋に素晴らしくて、評価されてるのであれば、正体なんて関係ないだろうに。
正体がバレた途端新作出せなくなる(もしくは売れなくなる)なんて、それまでの評価された本の価値まで信じられなくなるので、それはそれで残念だ。

とはいえ、本質(本の中身だけ)を見るのか、偶像を追い求めるのか(本の中身より、作者のバックグラウンドの方が重要)ということで、色々考えさせられたという意味で観て良かったと思う。

17/60
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