ケイシー・アフレックとルーニー・マーラー以外は無名俳優ばかりでセリフも極端に少なく画面も何故か正方形という不思議な空気が漂う作品でしたが良かったです。交通事故で亡くなった夫が妻のことを想いシーツを被った姿で妻の住む自宅に戻ってきて彼女を静かに見つめ続ける．．．一見するとラブストーリーなのかと思いきや物語が進むにつれて本作は幽霊の目を通じて時の流れの中で消えていく人や物の記憶を静かに描いた実に奥深い人間ドラマだったことに気付くことになり思わず唸りましたね。妻が家を出て行く時に柱に挟んだメモに書かれた文字を見るために来る日も来る日も柱を削る幽霊となった夫の姿は切なくそのメモが絶妙に効いてくるラストには泣きそうになりました。特殊な雰囲気の映画なので万人受けはしないけれど不思議な感情が胸に残る深い作品だと思います。しかし、本作を観て改めて思ったのはルーニー・マーラーは本当に綺麗な女優さんですね～
