イチロヲ

花と蛇 飼育篇のイチロヲのレビュー・感想・評価

花と蛇 飼育篇(1986年製作の映画)
3.0
書道の講師を務めている社長夫人(小川美那子)が、夫に恨みを持つ悪徳業者(永井秀明)によって拉致監禁されてしまう。上流階級の家庭内事情とSM調教を絡めている、日活ロマンポルノ。団鬼六原作。

ポスト谷ナオミが現れては消える、緊縛女優が短命になった時分の作品。本作の主演女優・小川美那子は、その立ち居振る舞いこそ背徳的な世界観にマッチしているが、肝心のシナリオ面が飽和状態に見舞われており、如何ともし難いことになっている。

夫妻の屋敷に出入りする、元恋人(坂元貞美)と女中(矢生有里)が、ナンダカンダとあって、主人公に嫉妬心を向ける。人間の陰湿さが痛烈に伝わってくるし、書道の弟子(舵川まり子)が捕まってからの「身代り要素」もきちんと踏まえてある。

女性陣を裏ビデオに出演させようとする悪漢(永井秀明)が、ただのチンピラにしか見えないところが残念。個人的には、冷静沈着なプロ調教師を雇い入れるという展開が欲しかった。
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