佐藤備忘録

夜明け告げるルーのうたの佐藤備忘録のネタバレレビュー・内容・結末

夜明け告げるルーのうた(2017年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

全体的に良い話のような雰囲気が出てたけど、良い話ではないだろwって笑っちゃった。

人間のエゴが強く描かれてる反面、人魚の感情がかなり蔑ろにされてるように思える。
人間の側には人魚ファンも人魚アンチもいるのに、人魚の側は全面的に人間の味方をしてる。人魚たちは、よく言えばお人好し、悪く言えば純真すぎて知能が低い。
劇中歌でワルキューレの騎行が流れたせいもあって、「葛藤できるほどの知能を有した人間たちと恨むこともできない低知能の人魚たち」っていう対比を感じてしまいモヤった。
ワルキューレといえばニーベルンゲン、ニーベルンゲンといえば白人で先進的なブルグント族と野蛮な異民族アジア系であるフン族の対立。
このニーベルンゲンの対比と本作の人間と人魚の対比の共通点は偶然かな。天才湯浅政明がどういう気持ちでワルキューレを流したのか、調べたらポニョとの関係がささやかれていたが、果たして真相はどうだろう。

ねむようこに最近ハマっていたので、キャラデザは個人的には良い感じに思えた。オープニングとかダンスシーンは最高。楽しすぎる。港町にありえんほど高い岬があり、その向こうに孤島がある、っていう設定は良い。タコ婆とかおじいちゃんとかの再会シーンは理屈抜きになんか感動しちゃった。くにおが良いやつすぎる。伊佐木先輩の生き方に憧れる。

無理やり当てはめたみたいな三幕構成が鼻についた。鼻についたし、なんか無理やり当てはめたせいか、展開がところどころ急だった気がする。あとはやっぱり人魚の掘り下げをもっと見たかった。ルーの活躍ももうちょっと見たかった。主人公に最後まであまり好感も共感も持てなかった。
それと湯浅監督にしては、意味深なのに意味のない(作品で意味が回収されない)シーンが多すぎた気もする。まぁ2時間だと全部描くには短いか...
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