コミヤ

夜明け告げるルーのうたのコミヤのレビュー・感想・評価

夜明け告げるルーのうた(2017年製作の映画)
4.0
湯浅監督のマインドゲームが大好きでもともと見たいとは思っていたが先延ばしにしてしまった本作。しかしフランスのアヌシー国際アニメーション映画祭で最高賞を受賞した事でtohoシネマズ新宿で再上映されてたので鑑賞。
シネマハスラーの“サマーウォーズ”評の時に宇多丸さんが「アニメの魅力とは何気ない日常の日常的なところを再現しているところ」と言っていた。冒頭主人公が箸で焼き魚を切り分けるシーンしかりスキップで階段を降りるシーンしかり本作はまさしくその魅力とアニメーションならではの制限の無い自由な表現という魅力が爆発していたと思う。

史上最高に可愛いらしいタイトルコールやルーの歌声につられて人々が初期のディズニー映画みたいにダンスをするシーンなどルー絡みのシーンは全てにおいてアニメーション的にも音楽的にも本当に最高な分、後半増えるかなり幼稚なシーンにあまり乗れなかったのが残念。もっとルーの登場シーン増やしてもらいたかった…犬の人魚も可愛すぎて最強。

本作の登場人物たちは皆んな思い込みや偏見を抱えていて、ルーだけが好きなものに好きと言うように正直でいる。そんなルーを通してカイをはじめ閉ざされた街の人々の中に変化が生じ、街の危機に対し彼らと人魚が体を張るクライマックスにアニメーション的快楽と斉藤和義の歌詞的にもメロディー的にも最高な“歌うたいのバラッド”が重なり自然と泣いてしまった。切なさと希望が混在するラストもいい!

好きなものに好きって言うことは大切!
コミヤ

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