【セイレーン】
『ポニョ、宗介好き』再び。
控えめに言って素晴らしいアニメ映画だった。
結構音楽が鍵なので劇場で観れたことに感謝。
海に住む人魚と偏屈に生きている少年との物語。
音楽に反応する人魚に出会い、少しづつ心が溶けていく…
どっかで見たことあるような設定というのは置いといて、アニメ映画におけるわくわく感がこの映画には詰まっていた。
しかし、いつだって特殊な生き物は人間の様々な思いに翻弄される。
人魚に大切な人を奪われた人、人魚を町おこしに使おうと企む人、人魚に嫉妬する人、人魚と関わるのは自分だけが良いと思う者。
正直途中で主人公がすべてを放棄して殻に籠るシーンが微塵も理解できなかったし、腹が立った。
お前がしっかりしないといけないとこだろうという場面であの行動は逃げでしかない。
街にせまる危機と、スピーカーで呼びかけるシーンは、悲しくも『あの映画』に既視感を覚えてしまう。
それでもクライマックスの音楽と、爺ちゃんが作ってた傘の伏線に気付いた時興奮は最高点に達した。
しかも、変に甘えた結末ではなく、少しビターという納得の結末。
しかし、この結末でなければバンドメンバーの3人は先に進めなかったと思う。
途中イライラさせられた部分は差し引いてもとてもよくできていると思うし、自分は好きだ。
※この監督は変態の顔を描くのがとてもうまい。
2017.8.22