青いむーみん

チャルカ~未来を紡ぐ糸車~の青いむーみんのレビュー・感想・評価

3.7
福島に津波が来ようが来まいが原発がある限り生み出され続けている放射性廃棄物の行き先を追った問題提起ドキュメンタリー。

放射性廃棄物処理の先進国としてフィンランドが挙げられ実際にその現場の取材もされているが安全性に絶対の自信を持っていて余裕すら伺え、彼らと我々が共感することは不可能だと感じさせられる。地盤の環境から事故の起こる可能性は違うが、放射物質の危険性は同じだ。アクション映画なんかでも核兵器を気軽に出してくるがチェルノブイリや福島を知っていてもやはり他人事なのだ。国の発電量の約8割を原子力に頼っているフランスですら危機感に欠ける。知識がないまま反対や賛成をしていて日本とは絆を感じるだの何だの薄ら寒いことを言われるが、ノーサンキューだ。まずは黙って勉強しろ。「事故から福島は復興してきている」のような言葉も飛び出す。地震からは復興できるところもあるが、汚染から復興なんてどれだけ未来の優しい世界の話なのか本当に分かってない発言だ。チェルノブイリを知らないのかな?
ということで、現在進行系の問題でなんの解決策もないこの問題。毒が発見されたら、必ず血清も作られるものです。しかし血清の作り方がわからないまま毒を作り続けているわけです。国のターゲットは道北。あそこに毒を流し込もう。そう決めているようです。
あるバンドの一曲にある
”多数派が少数派に面倒を押し付ける 持つ者は持たざる者を食い物にしてる強い者が弱きを挫いて溜飲を下げ 都会は田舎をゴミ捨て場だと思ってる”と言う歌詞がぴったり当てはまります。
日本はそういう国なんだなと、残念でしかない。

ちょっと残念だったのは何度か図やグラフ、数値を見せるときに全て読めるような時間がもらえるわけでもないので目を向ける部分を示すようなナレーションがあればよかったんですが、ちょっとそこは上手くなかった。