RIO

さらば愛しきアウトローのRIOのレビュー・感想・評価

さらば愛しきアウトロー(2018年製作の映画)
3.9
1980年代のアメリカ。紳士的な振る舞いで誰も傷つけず、鮮やかに銀行強盗を働くフォレスト・タッカーという老人がいた。出会ったジュエルと大人の恋を謳歌しながら強盗を続けるタッカーを、若手刑事のハントが追うこととなり…。

ロバート・レッドフォードが自らも企画に携わり実現した、彼の引退表明作ということで鑑賞。甘いマスクの紳士的な強盗という一見特異な役柄は、ガンアクションやアウトローな役柄でも有名ながらハリウッドきっての美男子として名を馳せたレッドフォードにぴったりの役ですね。老いてシワシワになられた今もその美形ぶりは健在。わたしも個人的に好きな彼のポイントでもある、白い歯が映える口元に浮かぶ笑みの美しさよ…。

内容としては淡々としており穏やかで、クライム映画と思うと特有の重厚さや衝撃感は少ないものの、大人な雰囲気漂う静かで素敵な映画でした。ジャジーなBGMに乗せてシシー・スペイセク演じるキュートなジュエルとのしっとりした恋愛模様も描かれながら、ケイシー・アフレック演じるハント刑事もタッカーを容疑者としてだけではなく追っているように見え、ジャンルとして分類されるというよりレッドフォードのこれまでが詰まった集大成作のようで追懐を感じました。

初来場したレトロな劇場には、わたし達を含め3組だけ。この作品に浸るには最適な環境で彼の幕引きを観られて良かったです。レッドフォードの出演作もまだまだ未鑑賞が多いので、ぼちぼち遡りたいなと思います。
RIO

RIO