つるみん

羅生門のつるみんのレビュー・感想・評価

羅生門(1950年製作の映画)
4.0
なぜだろう。なぜこんなに引き込まれるのだろう。これが世界のクロサワマジックなのか…。

芥川龍之介の原作〝藪の中〟を黒澤明が映像化する。しかも三船敏郎、志村喬といった日本の名優が演じる。そして京マチ子。

ある殺人事件に対して複数視点から通して見る人間の業や愚かさに興味深いものを感じる。

冒頭の山道を歩くシーンは思わず目を疑ってしまった。その理由としてモノクロのはずが、まるで〝色がある〟と言っていいほどの巧みな映像となっている。木々なども色を感じさせるが何より太陽の陽射しに関しては映像があまりにも素晴らしい。

そしてもう1つ印象的なのは雨の音だ。この雨の音を強調することにより自分もその場にいるような緊張感漂う不思議な雰囲気になっている。

名探偵コナン君が決めゼリフを言うように〝真実はいつも1つ〟なのである。しかし人間という生き物は非常に頭のいい生き物であって嘘をつけるのである。その嘘が重なり膨れ上がり、いつの間にか偽りの真実ができてしまう。誰しも自分の有利な方向へと話を向けた経験がありますよね?この誰しもが経験したことある題材なので多くの方が共感し今でも名作と言われるのでしょう。
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