にょいりん

機動戦士ガンダム サンダーボルト BANDIT FLOWERのにょいりんのレビュー・感想・評価

4.0
菊地成孔氏が音楽を担当しているのが気になって前作から観ています。
フリージャズや歌謡曲と激しく残虐なMS戦の取り合わせは
好みが分かれると思います。
劇伴というには違和感がありすぎですが、
その取り合わせは危険といって良い程の刺激を生んでいると思います。
まるで「地獄の黙示録」でキルゴア中佐がワーグナーを流しながら、
ナパーム弾をジャングルにガンガン炸裂させているシーンが、
破壊と狂気を音楽が異常な快楽に変えてしまっている様に。
アッガイが出撃するシーンにラテン歌謡調の串本節を流すあたりは、
緊張感とユーモアが絶妙に混ざり合っていて、
特に素晴らしい取り合わせでした。

内容的にはひたすら戦闘が続き戦争の悲惨さとかが描かれていますが、
その中身は空虚な残虐性があるのみです。
だからこそ戦場と音楽の危険な快楽が際立っているように思います。
若干の背徳感を感じながら。

マイナス点としては、
・特別料金というレイトショー料金にならない謎のシステム
・同時上映の短編があまりにもできが悪かった事