ルーニー・マーラとベン・メンデルソーンの演技合戦を第一の目的として見に行ったのだけど、どっちも好みで言えば好きな俳優なのにこの作品では全く魅力的に描かれていなかったことにまず驚いた
で、何故彼らの姿がそんな風につまらなく映ったのか分析してみたら、以前より自分の役者への興味が薄れたこともあったが、それ以上に編集やカット割りが台詞の多くなった辺りからとっ散らかったようになり、その洗練されていない雑な絵の繋ぎ方に萎えてしまったことが大きな要因だった
映像自体は悪くなく、時折ベルイマンやハネケみたいな硬質な絵になったときは目を見張ったけど、ちょっと料理の仕方を間違えてた感は否めず、長編デビュー作とはいえ映像の魅せ方が足りないように思えた
でもベン・メンデルソーンの義理の娘が出てきたときはハッとさせられ、こういう仄めかし程度だけど決定的な描写に監督の今後が期待できた
それにしてもこれまで一切物語について言及してない辺り、自分がいかに話の内容への興味を無くしてしまったのかを思い知って少し唖然となった