My soul is flying’ like a fireball !!
音楽の可能性を全身で感じることができました!
ミュージカルの劇場体験は感染病拡大に伴い、その機会を失われています。
そのような中、全国の映画館でこんなにも楽しく、その場にいるようなライブ感を味えるのは素晴らしいと思います!
以下、ネタバレを含みます。
前作は字幕版で鑑賞したのですが、稲葉浩志がキャスティングされると分かり、B'zの大ファンの私は迷うことなく吹き替え版を選択しました。
(スキマスイッチ、BiSHのファンでもあります。)
それゆえ、稲葉浩志演じるクレイのキャラクターを稲葉さん本人と照らし合わせながら、そのギャップを楽しんでいました
(本質は似てるけれども、割と正反対のキャラだなと思いました)。
また、BiSHアイナ・ジ・エンド演じるポーシャのハスキーで無邪気な声に癒され、ミュージカルシーンでは、ノビのある歌声に圧倒されました。
ストーリーはさておき、吹き替えのキャスティングはばっちりで、とっても楽しかったです!
アッシュが前作に引き続き、お気に入りキャラです!!(前売りキーチェーンからアッシュが出てくれて歓喜!!)
以下、個人的に納得のいかない点を記述しているので、不快に思われるかもしれませんが、ご了承下さい。
純粋な音楽の力という部分に焦点を当てれば良作だと思うのだが、ストーリー展開とキャラクターの言動に気になる部分が前作同様に盛り込まれていたので、そこが個人的には残念なポイントだった。
元凶はやはりバスタームーンで、彼の信念が間違っているとは思わない。ただ、嘘をついたり、罪を犯してまでも夢を追うことが美談ではないだろう。ムーンの罪の自覚の無さもヤバいが、さらにヤバいのは周りのキャラクター達で、夢に目が眩み彼を盲信してしまっていることだ。
敢えて凄く感じの悪い書き方をすると、本作のステージは「犯罪集団のジャックライブ」に過ぎない。さらに、善人サイドのクリスタル社長やダンスのコーチが、まるで悪者かのように裁かれるのである。悪では無いキャラクターを一方向からの視点のみで邪魔者に仕立て上げ、正しい行いをしているにも関わらず、その役割を演じさせられていることが不憫でならない。無為に虐げられ、ムーン達が正しいという虚構を甘んじて受け入れざるをえない状況なのだ。
100歩譲って、『グランドイリュージョン』のように義賊的ポジションであれば、それが犯罪であっても、捉え方によっては善であるという観衆はいるだろう。
本作に限れば、そもそも裁く対象など存在しない。それなのに、ムーンのねじれた眼によって間違った勧善懲悪が生まれているのだ。
これがなんとも悲惨で、夢を追う上で大事な物を表層的にしか描けていないのだ。
上記のことは前作より分かっていたことなので、そういう物だと受け入れながら観ていたので不満では無い。
が、やはり納得はいかないし、心からの拍手は送れそうにないのでレビューとして書き残したい。