蛇らい

SING/シング:ネクストステージの蛇らいのレビュー・感想・評価

3.4
前作での劇場の成功から、批評家たちから子ども騙しのエンターテイメント的な評価を受ける。その姿は前作の映画自体の評価とも重なり、脱却するべく骨太な作品を目指すという宣戦布告にも受け取れる。

バスター・ムーンは明らかに監督自身の投影であり、映画プロデューサーとスタッフ、キャスト陣との間で板挟みになりながら奮闘する姿が描かれる。前作よりも歌や音楽の持つ可能性、劇中での役割を動物たちの精神的な解放のストーリーへ収斂し、より明瞭な話運びに成功していた。そして何より楽しさに溢れている。

ステージの成功へのプロセスとして、行き詰まったときにジョニー然りミーナが、少しの発想の転換で乗り越えることが出来るという演出の繊細さが良かったと感じる。

ポーシャが父親が逮捕されているのに平常心だったり、クレイがステージに参加するまではいいが、チームに加わったときの円陣をノリノリでやっていたりする姿にはキャラクター的な違和感を感じるなどの細かい指摘はしたくなるが、概ね良作と言える。
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