【第60回アカデミー賞 監督賞、脚色賞ノミネート】
『サイダーハウス・ルール』ラッセ・ハルストレム監督がレイダル・イェンソンの小説を映画化した作品。ゴールデングローブ賞の外国語映画賞を受賞、アカデミー賞では監督賞と脚色賞にノミネートされた。
ハルストレムがハリウッドに招かれるきっかけになった作品。ある少年が田舎で過ごすことで自らや家族、友だちと向き合っていくという物語。
正直ハルストレム作品はイマイチ薄いというか深い感慨を抱くことができないのだが、本作でも同じだった。よく出来た映画だとは思う。でもなんか描写が全体的に軽いんだよね。本当に感情移入して作られているようには思えない。
少年は最初から(少しやり過ぎなところはあるけど)聞き分けがよくていい子だし、成長の余地があまりない。兄との関係が変わったりするのかなと期待したけど最後まで変わらない。
成長物語とするにはエピソードが弱く、なんとなく田舎で楽しい休みを過ごしましたという程度にしか見えない。
ハルストレムの演出も特徴がなくありきたり。それなりに仕上げてはいるが、監督なりの哲学のようなものが今ひとつ見えてこない。
結構名作として名高い作品だが、僕としては薄い作品だな、としか思えなかった。ハルストレム作品全体が名作っぽく言われているのもあまり納得できない。平均点を常に出すようなところが好かれているのかなぁ。凡作だと思う。