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サスペリアのhi1oakiのレビュー・感想・評価

サスペリア(2018年製作の映画)
3.6
1977年のオリジナル版『サスペリア』とか、『君の名前で僕を呼んで』のルカ・グァダニーノ監督作品という文脈で観ると面食らうかも。
当然1977年(スター・ウォーズが公開された年だ!)版の要素をベースにしながらも、ルカはカバーでもリミックスでもなく、“ジャンルさえズレている何か”として作ってきた! ちなみに今作の時代設定は1977年。
こういうとこへの書き方としてカッコ悪いのは承知の上で言うと、正直よくわからない。
だからと言ってつまらなかったのかというとそういうわけではないのだけれど、“面白いから観て!”と人に胸を張って勧めるものでもない。とりあえずわかりやすいトラウマを与えてくれる作品ではない。音楽担当のトム・ヨーク(あるいはOKコンピューター以降のレディオヘッド)に対する自分の思いと似てる。
個人的にはスージーが最初にマダム・ブランや同僚のダンサー達の前で踊る(そしてその裏で…という)シーンが一番好き。その後そこを超えるシーンは無かった。
オリジナル版ではあまり活かされていなかったバレエ学校という要素を今作では舞踏団に置き換えて、むしろ重要な位置に持ってきてる。
タイトルロゴやエンドロール、劇中の舞踏団のポスター等のグラフィックデザインがキレッキレで最高。ソール・バスを彷彿とさせる。ルカ監督のヒッチコック好きが影響してるのかな。
音楽に関しては個人的にはトム・ヨークも悪くないけれど、コレはトレント・レズナー&アッティカス・ロス案件なのではと思ったりもした。
ティルダ・スウィントンの陰鬱な存在感や、今なお愛らしいジェシカ・ハーパーがたまらない。
そしてクロエ・グレース・モレッツ!もっと観たかったぞ!
そして何より“ルッツ・エバースドルフ”なる役者の名演技たるや…
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