ちろる

光と血のちろるのレビュー・感想・評価

光と血(2017年製作の映画)
4.3
心優しい純真な少女がレイプされ
婚約したての幸せ絶頂期のカップルが通り魔に合う
ボランティアに熱心な若者は煽り運転の末車に轢かれて
ひきこもりニートの男は突然父親を失う

始まり30分以内に怒涛のありとあらゆる不幸を見せつけられて息苦しい。
ポール・ハギス監督の「クラッシュ」のどうしようもないやるせなさと少し似ている気がする。

何をどうしたら正解だったのだろう?
ただ、ひたすら
清く正しく、前を向いて歩いてきたつもりでいたのに、なんで私なのか?なんで俺なのか?と心の中で叫んでる。
どん底に突き落とされても、勝手に死ぬことも許されないなら、どす黒い苦しみを抱えて足取り重くても歩くしかない。

ずっと、ずっと、どくどくと心臓から血が流れてこぼれる音がする。

怒りの憎しみの連鎖は止まらなくとも、優しさの連鎖もまだこの世に残っているのならば、それにすがって生きていこう。
有名な役者さんはでていないけど、そこがある意味良かったのかもしれない。
彼らの熱意が画面にぶつかってきて素晴らしい。
人間という生き物の強さと弱さの両方を見せつけられて、しんどいけど心が何度も揺れ動かされて、ほんの少し光のかけらを見つけられた作品だった。
ちろる

ちろる