お腹ポン太

DESTINY 鎌倉ものがたりのお腹ポン太のネタバレレビュー・内容・結末

DESTINY 鎌倉ものがたり(2017年製作の映画)
1.5

このレビューはネタバレを含みます

あれは年の瀬、
積もった仕事をあらかた片付けて、冬の冷たい風の中から逃げるように僕と お前は映画館へ入った。
「何みる?」
そう聞かれて、迷った僕はポスターに夫婦が写っている映画を無意識に選んだ。それにこの橙色のポスターは、この季節には似つかない暖かな空間をしていた。

2人で席に着き、映画が始まる。
僕は暖房が効いた劇場で少し肌寒さを感じ、膝掛けにしていたマフラーを巻き直した。
寒さを察してくれた お前は、何も言わないで冷たい僕の手を握ってくれた。
しかし、暖かな気持ちに反し体は どんどん寒くなってくる。
…おかしい。
たまらず座席下に押し込んだコートを取り出して羽織るが、一向に暖かくならないので僕は取り乱し、周りに聞こえるほどの音で両の腕を擦った。
異常を察した お前は、一度出ようと言い、僕の手を引っ張って立ち上がり、僕は暗い中で手を引かれるがままに階段を降りた。

そこで お前は段差を踏み外して死んでしまった。

そして僕は気付いた。
寒いのは、この映画だと。

…僕はマヌケだ。
あのポスターに、あの予告に、山崎貴に、期待したなんて…!
そして もっとマヌケなのは、こんな映画を選ぶやつに着いてって階段で転んで死ぬ女だ!
こいつに、期待してたなんて…!
…クソっ!…クソっ!

その後 彼女を生き返らせ、幸せに暮らしたとさ。ちゃんちゃん。


…寒さ表現という点では、「レヴェナント」を越えていた。
映像表現の北極点や!

「DESTINY〜南極物語〜」
大手犬ぞりメーカーの”東宝”は、「ヤマ」「ザキ」「タカ」「シ」4匹の犬を保有していた。
4匹は客を乗せると、瘴気で涙が出る地域や、底冷えのする寒冷地帯を好んで通っており、そりに乗った客の反応はイマイチだったが従順な4匹を東宝は可愛がっていた。
そんな時、4匹に「わんわんオリンピック」の日本代表選手としての誘致が来る。
果たして4匹はオリンピックで客を楽しませて成果を出すことができるのか。
お腹ポン太

お腹ポン太