ちろる

エルミタージュ美術館 美を守る宮殿のちろるのレビュー・感想・評価

3.8
女帝エカチェリーナ2世によってコレクションされたものから始まって、ロシア女帝のエカテリーナ2世の収集品やレオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロなど至宝の数々をハイクオリティーの映像で映し出す、エルミタージュ美術館の創立から約250年に及ぶ歴史と魅力に迫るドキュメンタリー。
こちらの作品の見どころといえば数ある有名絵画の紹介に止まらず、美術館の立ち上げ以降、レニングラード包囲戦の最中に美術品をウラル山脈に疎開させたエピソードなど、たくさんの学芸員の尽力によってかけがえのない美術品たちが戦火から守られた史実を伝えてる点。

そして、ミハイル・ピオトロフスキー現館長の「美術品は必ず展示されて人々の目に触れなければならない」という言葉はこのドキュメンタリーの中でも心を打つ。
美術品たちが人々の前に展示されながら、その歴史もまた語り継がれるということは間違いない。
そういう意味で、美術品たちは間違いなく生きている。
学芸員たちや館長の力によって間違いなく生かされてるのだということをこのドキュメンタリーを通して再認識させられる。
『エルミタージュ幻想』を観た時から、その建造物含めて死ぬまでに絶対訪れたいと強く願った美術館がこちら。

来日は、2017年に開催された大エルミタージュ美術館展が記憶に新しいところだが、生憎行く機会がなかった。
もしも、このドキュメンタリーを観ていたら無理にでも行っていただろうし、行けばより一層感慨深く作品展を堪能して楽しむことができたかもしれないと思うと、色々惜しい気持ちになりました。
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