原作未読。「羊と鋼の森」となんとも不思議なタイトルだが、序盤に明かされるが、ピアノのことをさしており、タイトルの意味がわかると、なんとも詩的で素敵だなと本当に思う。
自分でも何で泣いてるかわからないが、ピアノの弦のように、私の心の琴線も見事に揺らし、何度も泣けてしまった。
非常に、音を大切にした映画で、時折目を閉じて耳で味わいたくなる不思議な映画である。
その分周りの雑音もひどく気になり、普段全く気にしない映画館内の空調の音などもイヤになるほどで、鑑賞の際は、静かな場所で、出来るだけ映画の音だけを味わえる朝イチとか夜遅くに鑑賞するのがいいかもしれない。
そもそもかたちのない音を、客の抽象的なオーダーで、明るくしたりのびやかにしたり力強くしたりするという極めて繊細な調律師という仕事には強いプロ意識を感じ、感心してしまった。
(関係ないが、マンガのピアノの森を何度も思い返してしまったのは自分だけでしょうか)
思った以上に優しくてひたむきで感動できる、本当に素敵な映画でした。