イチロヲ

白衣調教のイチロヲのレビュー・感想・評価

白衣調教(1986年製作の映画)
3.0
裏ビデオ出演という秘密の過去を背負っている看護婦(青木祐子)が、元裏ビデオ製作者の映写技師(佐野和宏)により、出演作品を映画館に掛けられてしまう。過去のしがらみと対峙する女性の姿を描いている、日活ロマンポルノ。雄プロダクション製作。

過去を捨てている女性と、過去に縛られている男性の衝突劇。場末の成人映画館が主なる舞台なので、失われつつある性産業の儚さが感じられる。90年代のピンク映画を支えることになる、後の功労者・佐野和宏の登場も密かな見どころ。

主人公の裏ビデオの上映に関して、「これはビデオから映画にした作品である」という説明台詞が登場。「ロマンXシリーズ」が持っている負の要素を逆手に取っているような作風だが、これは筆者の個人的観測であり、根拠はない。

「女のしたたかさ」によって打ちのめされるという、王道的展開にスカッとさせられる。先述した(自分勝手な)深読み要素と併せて、何となく好印象を受ける作品。
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