三樹夫

メアリーの総ての三樹夫のレビュー・感想・評価

メアリーの総て(2017年製作の映画)
3.0
『フランケンシュタイン』の作者が『フランケンシュタイン』を執筆するまでの伝記映画。『フランケンシュタイン』は彼女の人生全乗せの魂の作品かつ女性の叫びの作品という着地をする。
主人公は元々怪奇小説好きで、思想家や詩人が身内や身近にいるという芸術環境で日々過ごすが、出てくる男が大概碌でもない奴。継母も絵に描いたような典型的なゴミ継母だし。詩人と出会い恋愛関係になるが、こいつ絶対ダメ男だろと思ったらその通りでさらにクズ男でもあったと踏んだり蹴ったり。ダメ男は金持ちのボンボンだが親に勘当され、主人公ともども経済的に困窮することになる。基本的に主人公は金に困ることになるが、ただ金持ちの家に身を寄せたりどっから金出てんだろという感じで、貧乏なのか生活は出来ているのか結構謎な生活を送っている。おそらく金には常に困っていて借金とかで生活していると思うのだが、何だかんだ生活している。
金持ち男爵の豪邸に身を寄せることになるが、なんか嫌な奴だなと第一印象から思うが案の定金持ち男爵もクズ男と中々人間関係に恵まれない主人公。今まで経験したことの全てをぶつけ『フランケンシュタイン』を執筆するが、ダメ夫は作品を観る目もダメだし、出版社に持っていくと女にこんな小説が書けるわけないとか言われる。それで『フランケンシュタイン』は最初著者が匿名だったのかというのにつながるが、ここまでほぼ何も良くないことだらけだが、最後にやっと良いことがあり終わる。

フランケンシュタインは私たちというシーンでは感情が高ぶるが、基本的には淡々とした映画になっている。物静かな映画といっていいかもしれないけど。監督は凄い真面目なんだろうなという雰囲気の映画だった。
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