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メアリーの総てのkazataのレビュー・感想・評価

メアリーの総て(2017年製作の映画)
4.0
2019年の一発目の劇場鑑賞。
エル(ファニング)ちゃんは時代劇がよく似合う!ことを再認識。

1818年1/1付で「フランケンシュタイン」が出版されたとのことで、なるほど2018年は200年のメモリアルイヤーだったわけで……年内に観ておくべきだったとちょっとだけ後悔。

しかも内容的にも男社会の中で抑圧されていた女性の物語でもあったので、2018年のアカデミー賞でも女性の権利がフィーチャーされたわけだし、同時代的な作品として観ておくべきだったとちょっと反省。

で、結果的に"見逃してはいけない"というかやはり"今見ておくべき"映画で間違いありませんでした!

(監督がサウジアラビア出身の女性監督というのもある意味でタイムリーというね……)

このテーマで生死を扱うんなら「エロもグロも足りない!」と一瞬思ってしまったけれども、そこはイスラム国家出身の監督なんだから禁欲的で仕方なしと納得。
(ってか生々しかったりエクストリームな演出になれてしまったこっちが悪いわけで…)
(まあメアリーの物語もなかなか昼ドラ的愛憎劇が繰り広げられるから普通に面白いし…)

寧ろメアリー視点に絞ってくれたおかげで彼女の心情に最後までじっと寄り添えたことも事実。いろんなことがあった上で彼女がたどり着いた"表現することへの決意"と"力強い現状肯定"に、感動せずにはいられませんでした。


メアリーさんに降りかかった悲劇は「フランケンシュタイン」発刊後も続いていくわけで(正直、映画で描かれている程度じゃまだ生ぬるいと思えるレベルで悲惨…)、それを思うとフランケンシュタインの"悲しきモンスター度"がより一層高まりました。。。
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