ロク

イット・カムズ・アット・ナイトのロクのレビュー・感想・評価

3.8
夜になるとやって来る“それ”の感染から逃れるため人里離れた森の奥深くにある一軒家で隠れるように暮らしていた一家の元にウィルと名乗る男性とその家族が現れる。一家の主である父親は“それ”の侵入を防ぐために出入り口の赤い扉を夜は絶対に開けないことを条件にウィル一家を迎え入れ共同生活を始めるが、ある夜、扉が開いていることが判り2つの家族に猜疑心が芽生え始める...映画批評家から絶賛された衝撃作「ギフト」で監督デビューを飾った俳優ジョエル・エドガートンが主演と製作総指揮を務めた本作は白人の夫に黒人の妻と息子という主人公一家の前に助けを求めて現れた移民の一家を恐怖心を抱きつつも迎え入れるが、ある出来事をきっかけに芽生え始めた猜疑心から恐ろしい事態へと発展していく内容や劇中に様々な形で現れるものの実像は判らない“それ”の描写などを考えると現在のアメリカ人が感じている移民や他民族に対する漠然とした恐怖心を心理スリラーという体裁で今のアメリカ社会が抱える問題を描いた作品で結末は賛否あると思いますが、不安を煽るかのような緊張感溢れる音楽や美しくも不気味な雰囲気の森の風景が相まって見応えのある作品で個人的には観て良かったです。
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