ひこくろ

インビジブル・ゲスト 悪魔の証明のひこくろのレビュー・感想・評価

4.3
密室で起こった殺人事件。
容疑者は被害者の不倫相手で、部屋に残っていた実業家のドリア。
どうにも逃げ場がない状況。
それを覆すべく女性弁護士のグッドマンが登場してくる。

やがて、ドリアの証言により、事件が3カ月前に起きたある事故と関係してくることがわかってくる。
過去の事故と現在の殺人事件がどう絡んでくるのか。
密室殺人はどのように行われたのか。
犯人は誰なのか。
真実はどこにあるのか。

なんかね、もうお手本のように映画はミステリーの王道を堂々といく。
徐々に明らかになっていく謎と、新たに浮かび上がってくる真実。
そこから推理で導き出される答え。

ここまでストレートにミステリーを徹底してくれたら、ミステリ―好きとしてはたまらない。
反則も禁じ手も一切なく、まっすぐに進んでいくミステリーが本当に楽しい。

王道のミステリ―にはあっと驚くような結末が用意されているもので、そこら辺もこの映画は抜かりがない。
「えっ?」という衝撃から、畳みかけるように続いてくクライマックスは、もうワクワク感の連続。
そうくるか、そうくるのか、と食い入るように観てしまった。
もちろん、そこには絶大な納得感と、スッキリ感がある。

これ、小説があるなら読んでみたいと思うくらいに、本当によくできたミステリーだった。
「ミステリー」って概念が曖昧になりつつあるいまだからこそ観たい。
あらためて、ミステリ―とはこれだ、と思わせてくれる映画だと思う。
ひこくろ

ひこくろ