たいら

マザー!のたいらのネタバレレビュー・内容・結末

マザー!(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

胸糞悪い?いやいや、大したことはない。アロノフスキーだよ?タランティーノ映画見て暴力的だ!という以上にナンセンス。

前半何かのミステリーやスリラーだと構えて見てたが、途中の乱痴気騒ぎになってからは、ただのバカ映画だとあからさまに分かる。血が飛び交う頃にはこりゃただのコメディだって観てるわけだ。

最終的に役者監督らへのインタビューや考察から、あ、聖書モチーフですかー、と改めて気付かされたけど、どちらかというと、これは「作品を作るプロセス」のお話だと思っている。

1つの作品を世に出した、もしくは没にした状態は焦燥しきってる。そこに見つかるアイディア=石。そして生まれるはミューズ。だがそれも行き詰まり、何か気分転換をしたり突拍子も無い事になり、破壊的な破滅に向かい、再度チャレンジするのは、まさにスクラップ&ビルド。というか、ゲーム的なリセマラや、強くてコンティニューか。

そういった行為をクリエイトする側ではなく、被クリエイト側からの視点で見ると、あんな風に無茶苦茶に酷い一方的な仕打ちをされ続けるという描写になるよと。

幸いにもペンで書いた詩や、打ち込んだプログラムらは、怒りに自信を燃やして反逆してこない。あ、でも適当に書いたコードが暴走して夜中にサーバー止めたりとか、AIが発達すればスカイネットよろしくコンピュータの反乱もありえるか、、、何れにせよ被クリエイトされる側には様々な抑制下にあり、クリエイター=神の気まぐれに苦悩し続ける存在なんだと面白い価値観を見出せた。
たいら

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