ジャンクフードパーティーをした事がありまして。
ケンタッキーをバーレルで。
(バーレルの語源は"樽"だそう)
マクドのポテトを山盛りで。
マクドのナゲットも山盛りで。
そして特大ピザを4枚!!
いやぁ、ジャンキー!!
コロナが落ち着けばまたやりたい。
そう、僕らにはスマホで楽チンに注文出来てしまうピザ。そのピザを食べたくて食べたくて堪らない、インド人兄弟の物語。
1枚のピザから透けて見えるは、インドのスラム街の現実。
インド、チェンナイのスラム街に住む兄弟。父は服役中で、母、祖母と暮らしている。そんな彼らの集落の近くにピザ屋がオープンした。見た事のない食べ物に兄弟は興味津々。ピザは1枚300ルピー。果たして、彼らはピザを食べられるのか—— 。
トタン屋根の荒屋(あばらや)。
扉だって開けっ放し。
いや、扉なんてないのかも。
狭い家の中で、母と祖母と兄弟は寄り添い合って寝ている。
貧しい彼らの暮らしにただ、絶句してしまう。
でも、兄弟の笑顔はいつだってピカピカと輝いているし、初めてピザを目にした時も目がキラキラと輝いている。
300ルピーのピザを買う為に。
学校にも行かない彼らの"仕事"は石炭を拾う事。
1kgで3ルピーの稼ぎになるが、ピザを買うには果てしなく遠い道のり。
前半は、子供達が何とかピザを食べようと悪戦苦闘を描き、後半は、とある出来事を発端に大騒ぎする大人達を描く。
ピザ屋の店長よ。
あれはないよ。
彼らはピザを食べる権利があったのに。
お金の問題じゃない。
身なりの問題じゃない。
スラムの子供とレッテルを貼られてしまったが為に、彼らはピザが食べられない。
兄弟達の笑顔に癒されながらも、この作品が訴えているのは、現代インドにおける貧富の差。
兄弟と仲の良い金持ちの友達と、いつも塀越しに話しているのが印象的。そう、彼らの間にはいつだって隔たりがあるのだ。
念願叶って食したピザはさぞ美味しかろうと思ったが…。
皮肉が効いたオチが俊逸。
原題は、"カラスの卵"。カラスの卵を盗み、それを食べる兄弟の事を指している。野生のカラスの卵をペロリと口に入れてしまう彼らに、逞しさを覚えつつも、衛生的に本気でやめてくれと思わずにいられない。