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ゆれる人魚のfumikaのレビュー・感想・評価

ゆれる人魚(2015年製作の映画)
3.8
共産主義下にあった1980年代のポーランドを舞台に、肉食人魚姉妹の少女から大人への成長物語を野性的に描いたホラーファンタジー


主人公は人魚の姉妹シルバーとゴールデン
特にシルバーはポーランドの女性そのもので可愛かった

彼女たちは雇われたナイトクラブで夜な夜な歌を披露しその魅惑の歌声と少女の可憐さで脚光を浴びる
人魚の尻尾の生々しさやしっかり牙を備えてるところ、深夜のナイトクラブに響き渡る歌声のその幼さにギャップがあるところが良い

毎夜違った衣装とメイクだったけどそのモチーフってブレードランナーなの?それプリスストラットンじゃん!ってなるくらい雰囲気が似ていて私的にはそこがポイント高い


設定は人魚本来の魔性と魅惑、そしてグリム童話の内容も活きていて物語に入り込みやすい
もちろん結末も想像通りなんだけど、設定が姉妹ということも肝かな


終始ミュージカルなので楽しいのですが、あまりに激しい要素が多く、常にゆれている感覚で気持ち悪いくらいに酔ってしまった


監督はなんと本作が長編デビュー作となったポーランドの女性監督アグニェシュカスモチンスカ

少し騒がしすぎではと感じる点もあったけど処女作でこれだけ作り込める彼女の才能が末恐ろしい
今後の作品にも期待です
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