約3時間という長編ではあるが、そこまで気にならないくらいの良さはあった。逆に長かったが故に、最終的に自分が親になったかのような感じがした。ただ、全体的に色々と経験している大人向けの作品であることは間違いない。
残念だったのは、新潟についての描写がそこまで多くないことか。もう少し新潟の名所とか旅行したい気分を味わいたかった。
現在自身がアラサーであるためか、境遇も息子と近いところもあるためか、かなり共感することができた。また自分が父親にしてもらったこと再現しているようで、とても良く感じた。
おじいちゃんが毎回良い台詞を言うので、次におじいちゃんが出てくるのはいつかと待ちわびてしまう。痴呆が始まっているのだが、もっとも家族のことが見えている。これも歳のおかげか第三者だからか。
私的なことだが、利一の感じが自分と似ていて反面教師になる。自分のテリトリーに他人を入れたがらず、同時に他人のにも踏み込まない。自分が好きな距離感を維持したいが、それは時に相手を傷つけていたのかもしれない。
