このタイミングで観るなんてなかなかゲスいかもなぁ自分、なんて思ったら観てる人いっぱいいて笑った。考えることはみな一緒。
蜷川実花の演出も沢尻エリカの演技も苦手だから怖いもの見たさでの鑑賞だったけど、予想以上に面白かった！まぁ期待値低すぎたからだけど。
この人独特の原色ゴテゴテの脂っこい色合いが好きじゃないんだけど、この妖しげな世界観にはマッチしてて、そこまで拒否反応は出なかった。時計仕掛けのオレンジ意識してんのかなーって雰囲気。
音楽とか部屋とか会見のカメラのフラッシュとか似てた。
沢尻、窪塚のわざとらしい喋りの演技も上手く馴染んでる。
桃井かおりすっごい良かった。新井浩文も。
でも大森南朋は鬱陶しかった。タイガーリリーってなんやねん(笑)
前半は面白かったのに後半失速。
スローモーションとか花とか蝶とか羽とか多用はいいから、もっと各キャラの心理描写を！
表面の装飾は過剰なくらいだけど、内側の繊細な部分がいつも分かりにくい。
でもそれもまたこの映画を表してるのかな。
女は表面を飾り立てれば強くなれる、周りの評価も変わる、判断材料は外見のみ！という恐ろしい現実。ヒェー。
それにしても沢尻エリカはどんな心理状態でりりこを演じてたんだろうか。
明日の自分はこうなるかも、と感じながらだったら…って想像するとゾクゾクしますね。
自らを商品として生きていく人生なんて、おかしくならなきゃ出来ないんじゃないかと思う。一挙手一投足に賛否両論、他人の無責任な評価、価値がなくなれば捨てられる。そして次々と出てくる代替品。そりゃブッ飛びたくもなるわ。
整形は否定派じゃないけど、顔を変えることを繰り返す人の、自分の顔にアイデンティティを感じられない精神状態は心配になる。
あなたがいなきゃ私は何もできない。
私がいなきゃあなたは何もできない。
共依存状態をつくる緩やかな洗脳だよなぁ。
感想がいっぱい出てくるってことはもしかしたら良い映画…？
原作の漫画も気になる。
