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The Comedy(原題)
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『The Comedy(原題)』に投稿された感想・評価

金も暇もある裕福な中年らが集まってはクソで下劣なジョークや倫理観を欠いた悪ノリで騒いでいる。死にかけた父親から遺産が転がり込むのを待つ男は、小舟で寝泊まりしながら社会的弱者をからかい、ヒトラーを賛美しては女を引っ掛けてセックスしている。だからといって退屈が紛れることはなく、そこにあるのは空っぽな日々。何も無さ。熱心になることがないわけでもないが、それも射精前の一時の高揚と同じで、すぐに永遠の虚しさに襲われる。
俺もそうだが、ああ、何もかもくだらねえよなあと、だからといって社会に対して攻撃的になるわけでもなく、オタク的な自虐に走るでもなく、ただ雑音を横目に、どーでもいいと死んだ目で過ぎていく毎日。こいつと違うのは、俺には金がまったくないこと。
暇すぎて低賃金の皿洗いバイトまでしていて、そこで仲良くなった女性を小舟に連れていき、酒を飲みドラッグを決め、よい流れのなか、突然女性がてんかんで震えだす。そのくだりがとても好きだった。男は別に助けようともせず、焦ることもなく、ただぼうっと発作を起こした彼女を見つめているだけ。貫くならここまで描くべき。
仲間らと集まり、家族の思い出にポルノ写真を混ぜる悪趣味な遊びをしていても次第に冷めていく。無。病室で死ぬ寸前の父親を前にしたときだけ、顔に寂しさがよぎるのも良かった。よだれを垂らしながら自転車を必死に漕ぎ、その顔を寄りすぎるほどのアップで捉える終盤が素晴らしい。バイクは引いて、自転車は寄って撮れ。
生きていても死んでいるようで、不快さを恐れず、その先にある底なしの虚しさまで溢れ出してくるような表現を俺は愛してる。リック・アルヴァーソン映画、俺に金があれば日本で特集上映でもしてあげたいが、明日スープを飲めるかどうかも定かではない貧しさのため、それは叶わぬ夢。私たちは、誰にも求められていない孤独な「映画」をスクリーンで観ることは一生できない。
父親の財産を相続した中年男、無限に続く虚無休暇。ダチ達と酒を飲む、裸になってビール腹を晒す、ナンパする、性交する、遭遇した人に端から絡む、悪態を吐く、酒飲む、裸になる、ナンパ、性交、絡む、悪態…人生の「大して面白くない」喜劇的醜態、滑稽な瞬間の集積。傑作。

肛門やらペニスやらの話ばかりが続いたかと思えば、主人公が奇行に走り、奇声を発する。だのになぜ、こんなにもドライで辛く、哀しいのか。非建設的な映画。無意味さの累乗。伏線も伏線回収もない。大団円もクライマックスもない。感傷もない。登場したかと思えば画面から去って戻ってこない脇役。

2018/04/23 (過去感想サルベージ)
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35歳、親の遺産を相続するため全く働かずとも生きていける中年太り男。遊ぶ友達もいる、女とも普通に(とはいえ"正常に"ではない)関係を持てる、だけど満たされることはなく、その人たちが周りからいなくなってもいいかのように攻撃しながら生きている。そんな虚無の日常を淡々と描く。

もう大好き。こういうのだけいっぱい観てたい。
実は光の具合とかもかなり美しかったり。

てんかんの発作を無表情で見つめるシーンはキャラクターの心情と見た目のすごさを両立させている名シーンでは。こんなの普通には考えつかない。センス。